3歳の時、幼稚園で、人間お雛様をしました。
幼稚園恒例の行事で、わたしは「おひなさま」役でした。
おひなさま役になっても
しっくりきてないわたしがいました。
理由は二つありました。
まず、わたしがおひなさま役になれたのは、
二つ違いの姉のおかげ、今で言う「コネ」だと
思っていたから。
姉も3歳の時、おひなさまをやったので
妹さんにもやらせてあげないとかわいそうと言う
先生の配慮があったんじゃないか?と、大人が言っているのを
聞いてしまいました。
自分でも、そうかもしれないと思いました。
それから、クラスにすごくかわいい子がいて
その子は三人官女でもなく、ひな壇の外側の椅子に
着物を着て座っているだけでした。
その子を壇上から見る度に、
あの子のほうがかわいいのになと、思っていたのでした。
おだいりさーまと おひなさまー
ふーたりならんで すましがおー♪
のところで、おだいりさまと顔を見合わせます。
何度も見たはずだけど
おだいりさまの顔はすっかり思い出せません。
でも、あの子の顔はまだ記憶にあります。
真っ赤な口紅をぬってもらっていて、黄色い着物で
ほんとうにかわいかった。
3月3日になると、あの釈然としなかった3歳の日を
思い出します。
今もし、3歳の時の自分に会えたら、
心配しなくてもいいよと、言ってあげるかもしれません。